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法改正情報

【2026年最低賃金改定】
単なる「コスト増」で終わらせない!
時給引上げを組織の「生産性・エンゲージメント向上」に変える方法

毎年秋に実施される全国の最低賃金改定。
近年は、物価高騰や人材獲得競争の激化を背景に、全国的な引き上げが続いており「今年もまた人件費が上がるのか……」と頭を悩ませている経営者・人事担当の方も多いのではないでしょうか。

特に中小零細企業にとっては、アルバイトやパートスタッフの時給アップだけでなく、
既存の正社員との給与バランス(基本給の底上げ)にも影響が及ぶため、非常にインパクトが大きい課題です。
しかし、この最低賃金引上げを「毎年やってくる避けられないコスト増」とだけ捉えていては、企業の負担感は増すばかりです。

今回は、最低賃金改定への実務対応と、それをきっかけに「社員のエンゲージメントと生産性を高める強い組織づくり」へ繋げるポイントを解説します。

※本コラムの法令・制度に関する記載は、最低賃金法および厚生労働省等が公表する情報を元に作成しています。

令和8年度の最低賃金を確認

令和8年度の地域別最低賃金は、各都道府県ごとに改定されます。

現在の最低賃金額と、令和8年度の最低賃金額については、厚生労働省の「地域別最低賃金全国一覧」で確認することができます。

自社の事業場がある都道府県の最低賃金額と発効年月日を確認しておきましょう。

厚生労働省「地域別最低賃金全国一覧」

※最低賃金額は都道府県によって異なり、改定後の発効日も異なります。

まずは基本を押さえる!
最低賃金チェックと実務の注意点

最低賃金の改定に対応する際、現場でよく発生するトラブルや見落としがちなポイントがいくつかあります。

①「基本給+各種手当」の計算に注意

最低賃金(時給)と比較する際、すべての手当を含めて計算できるわけではありません。

※対象外となる手当の例
精勤手当、通勤手当、家族手当、時間外手当(残業代)、休日手当、深夜手当

特に「月給制」の社員や、「基本給+各種手当」で支給しているパート・アルバイトの場合、対象外手当を除いた金額を「1時間あたりの金額」に換算して比較する必要があります。

なお、慶弔手当など臨時に支払われる賃金や、賞与など1か月を超える期間ごとに支払われる賃金も、最低賃金の比較からは除外します。

②「逆転現象」による既存社員のモヤモヤ

新しく入社する人の時給を最低賃金に合わせて引き上げた結果「何年も働いているベテランパートさんや若手正社員の時給と、新人アルバイトの時給がほとんど変わらない」という事態が起こりがちです。
これが原因で「頑張りが評価されていない」と既存社員のモチベーションが低下するリスクに注意が必要です。

時給アップの負担を軽減する「助成金」の活用

最低賃金の引き上げに伴い、設備投資や業務効率化を行う中小企業を支援する公的支援制度があります。
代表的なものが「業務改善助成金」です。

※業務改善助成金とは?

事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を一定額以上引き上げ、あわせて生産性向上に資する設備投資(例:POSレジの導入、業務自動化ソフトの導入、店舗改装など)を行った場合に、その費用の一部が助成される制度です。
「賃金引上げ」と「業務効率化のための設備投資」をセットで進めることで、
持ち出しのコストを抑えながら現場の負担を軽減することができます。

※具体的な支給要件や助成率、対象となる設備投資の範囲は、年度ごとに変更される場合があります。
詳細は厚生労働省や都道府県労働局の最新情報をご確認ください。

最低賃金改定を「組織開発」のチャンスに変える3ステップ

賃金を一律で上げるだけでは、単なるコスト増で終わってしまいます。
せっかく人件費を投資するのであれば、これを機会に「組織全体の生産性と納得感を高める取り組み」へと昇華させましょう。

【最低賃金】1 3ステップ

STEP 1:給与体系と評価制度の見直し
最低賃金クリアだけでなく、役割や貢献度に応じた「納得感のある給与体系」へ整理

STEP 2:業務プロセスの見直して生産性向上(業務改善助成金等の活用)
設備投資やデジタル化で無駄な作業を削減し、高付加価値な仕事へシフト

STEP 3:対話を通じたエンゲージメント向上(人材・組織開発)
「なぜ昇給するのか」「何を期待しているのか」を言葉にして伝え、個人の成長意欲を促す

ポイント

ただ「時給を上げる」のではなく「期待を伝える」

賃金改定の面談や通知の際、「法律が変わったから時給を上げます」とだけ伝えるのは非常にもったいない対応です。
「〇〇さんの日常の貢献に感謝している。今回、会社としても期待を込めて時給を改定する」「業務効率化を進めるから、一緒により良いサービスを作っていこう」といった「承認と期待のメッセージ(対話)」を添えることで、
社員の会社に対する信頼感(エンゲージメント)は大きく向上します。

おわりに

単なる「コスト増」から「未来への投資」へ

最低賃金の引き上げは、企業にとって厳しい局面でもありますが「自社の働き方や評価の仕組み、現場のコミュニケーションを見直すきっかけ」でもあります。
受動的に対応するのではなく、経営計画や人材育成とセットで計画的に取り組むことで、
結果として「優秀な人材が集まり、定着する会社」へと成長していくことができます。

「自社の給与計算が心配」「助成金を活用して生産性を上げたい」経営者様へ

Bridge社会保険労務士事務所では、最低賃金改定に伴う給与体系の点検や業務改善助成金の申請サポートはもちろん、
社員の納得感を高める評価制度の見直しや組織コンサルティングまで一貫してご支援しています。
ぜひお気軽にご相談ください。

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